

日本は人口減少社会、少子高齢社会であり、それを数字で理解していく書籍。
5年に1度行われる国勢調査。2015年発表では総人口が1億2709万5000人となり、前回2010年の調査に比べて約96万3000人減っており、これは1920年の初回調査依頼初めての現象になっている。
また、2016年の年間出征数が初めて100万人を割り込み98万1000人にとどまっている。
少子化は止まりようがない。高齢化は猛スピードで迫ってくる。この手の話は認識不足や誤解が大きく起きるので、少しでも理解しようというときにこの書籍は手助けになる。
第1章では人口減少カレンダーという年表になぞらえて推計や統計からこれからの日本に何が起きうるかを述べています。
ちなみに2018年は「国立大学が倒産の危機へ」、2019年は「IT技術者が不足し始め、技術大国の地位揺らぐ」、2020年は「女性の2人に1人が50歳以上に」
第2章では人口減少カレンダーに対する10の処方箋が書かれています。
これらの処方箋は人口激減後を見据えたコンパクトで効率的な国への作り替えを目指した案になっています。
読んでみて感じるのは、人口減少や少子高齢化の話は多々ありますが、不安を煽る情報に対して免疫を作ることが出来る一冊ではないかと。
これからの課題を整理すると4点
①出生数の現象
②高齢者の激増
③社会の支えての不足
④これらが互いに絡み合って起こる人口減少
そして、これらを認識するためのデータが列挙されていく。公共サービスの維持であったり、IT人材の問題であったり、今の状態を維持、成長させるのが困難になりつつあることが分かる。
こういった変化は目に見えて起きる出来事ではなく、じわじわと、何となくおかしいと感じ始め、気が付いたら取り返しのつかない事態になる。
この本をきっかけに個人として、人口の絶対数が激減し、高齢者の数が激増したいるすることで起きる障害をどう対応していくべきなのかを考えるだけでも身になる。